オーディオラック「マグネシア TMR-5」の感想をいただきましたので紹介いたします。
東京都在住 Tさん
(お客さまの感想)
これまで使用していたラックは、DIYで入手したLアングルのスチールラック。しかし、棚板1枚に対し補強プレートを8枚取付け、重量と頑丈さは並ではなかったことは確かである。これに、マグネシウムボードと超薄型制振シート0.6+1.4を乗せ、更に超薄型制振シートにダブルでアースを取っていた。
今回入手したのは「TMR-5」5段タイプ。これを4段で使用している。
このラックに、前まで使用していたボード、シート類をそのまま乗せ換え、機器類にはマグネシウムインシュレーターとメタルスペンサーLをダブルで使用。組み立ては、支柱を下の支柱にねじ込み組み上げる。天板を乗せる前に機器類を設置しケーブルを取り付けられるので、狭い場所でも以外に楽に設置できるところが良い。但し、段数が増えるごとに天板を設置する際、天板の穴と支柱が合い辛くなるのでちょっと工夫が必要。具体的には、対角の支柱を緩めにねじ込み、全ての支柱が下に支柱のねじに噛みこんだところで、順番に対角で締込み止めて行く。
まず、ラックのレッグをメタルスペンサーLに乗せ設置した。全体を馴染ませる為、1週間於いた後の感想を述べる。これまでと比べると、より一層ノイズレベルが下がり、楽器や声の質感とディテールがあからさまになる。ソフトによっては厳しい状態になるが、それなりの質を持った再生装置であれば、アーティストの意図さえも感じ取る事も可能な感覚。とにかく情報量が格段に増す。これまで聞こえなかった音や倍音成分、胴鳴りなど、非常に賑やかになる。よって今まで通りのボリュームではうるさい状況になる。
その後、ケーブルの取り回しなどでもう一回ラックを組み直し、ソフトスパイクを追加した。スパイクの受けはサンシャインのMS1とメタルスペンサーのLを併用。
又、1週間於いた後の感想は、更に明瞭度が上がり、それぞれの定位が格段に良くなる。と言うか、目を閉じるとそこにプレーヤーがいる状態になる。
只、勘違いがないように述べるならば、決して音が良くなる訳では無い。音は、ソフトと再生装置が創り出すものであってアクセサリーが音創りに関係するならば、それは私にとってアクセサリーでは無い。ではこのラックの特徴は何なのか、一言で言うならば、使用している装置の性能を限界に近い状態まで引き出す事ではないかと思う。この事は、ティグロンの製品全般に言えることだとも思っている。
とにかく、今現在さまざまなソフトを聞いている限り(もちろんアナログレコードも)音楽を堪能するとともに、装置の限界をも味わうことになる。つまり、使用している装置以上の能力は発揮できないということだ。これはかなり厳しい現実だが、ポテンシャルを最高に引き出してくれることも確かである。ものすごい満足感とともに、判ってしまう装置の限界。どこで満足をするかが問題である。
雑誌の批評に低域の量感がもう少し欲しいと書かれているが、これは低域の解像度が半端なく、今まで音として認識できなかった領域が、認識出来るようになった分、量感は減った感じがするのであろう。そのように思う。私のシステムは非常にコンパクトに作られているので(それ自体非凡であると認識し使っている)試しにTGメタルを上部に置いてみたところ、最低域の量感は増し、かつ解像度は変わらず、定位もこれまで以上に安定した。試される価値はあると思う。